2011年5月12日木曜日

武富士の贈与税判決

Q:先日、武富士の贈与税裁判の最高裁の判決があり、国が敗訴して2,000億円が還付されたそうですが、どういう内容だったのですか?

P:こうした節税スキームは、一般的な法感情の観点から、課税しないというのは少なからず違和感があるが、個別否認規定がない以上、租税回避スキームだからといって否認することは許されないとして、納税者を支持する判決を出しました。

A:この判決は、当時の贈与税の規定、すなわち、日本国内に住所を有しない制限納税義務者は、取得財産のうち国内財産だけが課税されるという規定を納税者が逆手に取り、自らは海外に住み、親の財産を海外に移転させ、その贈与を受けたというもので、一審は納税者を支持しましたが、高裁が課税当局を支持したため、納税者が最高裁に上告をしたものでした。
判決では、この一連の取引は、租税回避スキームではあるが、租税回避スキームだからといって明確な根拠が認められないのに、安易に拡張解釈、類推解釈、権利濫用法理の適用などの特別の法解釈や特別の事実認定を行って、租税回避の否認をして課税することは許されないというべきであるとして、納税者を支持したうえで、一般的な法感情の観点からは少なからざる違和感も生じないではないけれども、やむを得ないところであると結びました。
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