2009年8月14日金曜日

老人ホームへの入所と小規模宅地等の適用

Q:老人ホームに入居していた被相続人の自宅に小規模宅地の適用があるかどうかで争われた事件があったとか。どのようになったのですか?

P:小規模宅地等の適用はないとして請求を却下しました。

A:この事件は、老人ホームに入所していた被相続人の入所前の自宅に対して小規模宅地等の適用をして申告をしたことに対して、相続開始直前に被相続人の居住の用に供していたとはいえないとして否認、更正処分されたのが原因で争われたものです。
請求人は、相続で取得した家屋が相続開始直前における被相続人の生活の拠点として、居住の用に供されていたのであるから、小規模宅地等の適用は認められるべきだと主張したのに対し、裁決では、老人ホームへの入所は介護目的であったことは認められるものの、①終身入居が可能であること、②入所者は終身にわたり専用居室が使え、介護サービスが受けられ、終身生活することも可能であったこと、③入所対価としての預り金も入所時に支払っており、経済的にも終身にわたって利用することが可能であったこと、④実際に老人ホームから外出したこともなく生活していたことなどから、客観的にみて一時的なものであったとはいえず、相続開始直前において、被相続人の居住の用に供していたとはいえないことから、小規模宅地等の適用はできないとして請求を棄却しました。

 相続 税理士 相続税 税理士
 大阪市の会計事務所

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