Q:相続時精算課税制度というものがあるそうですが、どのようなものなのですか?
P:次のような内容のものです。(文責 税理士 三輪厚二 大阪)
A:相続時精算課税制度とは、65歳以上の親から20歳以上の子供への贈与について贈与の回数に制限なく2,500万円までは贈与税はかからず、それを超える部分の金額に対しては一律20%の税率で贈与税が課税され、その贈与した財産の価額は、贈与をした親の相続時に相続財産として持ち戻し(加算)して相続税額を計算し、その際に納めた贈与税額があるときは、これを精算(相続税額から控除)して課税するという制度です。
この制度は、贈与回数や贈与年数の規定はないので、何回でも、また、何年に分けてもいいのですが、一度この制度を選択すると、その贈与者からの贈与については一生この規定を適用し続けなければなりません。
途中で、基礎控除を110万円とする通常の贈与に戻すということはできませんので、選択に際しては十分注意してください。
この制度の適用を受けるには、①最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、納税地の所轄税務署長に対して、選択届出書を提出するとともに、②贈与税の(期限内)申告書を提出しなければなりません。選択届出書の届出もなく、申告書の提出もない場合は、通常の贈与があったものとして贈与税が課税され、無申告加算税や延滞税も課税されますので注意してください。
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